
診断士の勉強を始めて、「材料や劣化の仕組みだけじゃなく、年号まで覚えるの?」となっていませんか?
診断士の仕事は「今」のコンクリートを診ることです。
でも、そのコンクリートが「いつ、どんな基準で造られたか」を知らないと、正確な劣化原因は特定できません。
丸暗記に頼らず、当時の社会背景とセットにして「歴史のストーリー」として整理してみましょう。
たとえば、「なぜ1980年代に規制が厳しくなったのか?」という背景には、当時の社会問題が必ずあります。
こうした「理由」がわかると、年号は自然と頭に入ってきますよ。
丸暗記より、ずっと長持ちします。
【保存版】コンクリート重要年号・出来事一覧表

試験頻出ポイントを網羅した一覧表です。
ここをスクショして、隙間時間にスマホで眺めるだけでも試験対策に効果的です!
年号をここまで一覧にまとめた参考書は意外と少ないので、ぜひスクショして活用してください。
| 年号 | 出来事・規格の変遷 | 試験対策のポイント |
| 1950年 | 建築基準法 公布 | すべての基準の始まり。 |
| 1953年 | レディーミクストコンクリート JIS制定 | 生コンの工場生産が規格化された(A 5308)。 |
| 1961年 | コンクリート用砕石 JIS制定 | 砂利不足により、砕石(角張った石)の使用が本格化。 |
| 1964年 | 鉄筋コンクリート用棒鋼 JIS制定 | 東京五輪の年。インフラ整備で鉄筋の需要が爆発。 |
| 1970年代 | AEコンクリートの普及 | 1970年に空気量4%規定。耐凍害性が大幅に向上。 |
| 1978年 | 生コンJIS改正(呼び強度導入) | 配合の指定方法が「呼び強度」に変わった重要な年。 |
| 1984年 | 「コンクリートクライシス」報道 | NHKが塩害・ASRを報じ、社会問題化。 |
| ★1986年 | 塩化物総量規制・ASR抑制4対策 | 最重要! 0.30kg/m3以下の規制とASR対策が開始。 |
| 1995年 | 兵庫県南部地震 / 高炉スラグ微粉末 JIS制定 | 耐震基準の見直しと、環境配慮(リサイクル)の加速。 |
| 2003年 | 低アルカリ形セメントの規定削除 | ASR対策として「不十分」と判断され、削除された。 |
| 2012年 | 笹子トンネル天井板落下事故 | 維持管理時代の幕開け。診断士の価値が急上昇。 |
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実戦力アップ!例題で学ぶJIS規格の変遷

「年号はわかったけど、実際の試験ではどう出るの?」となると思います。
ここで、実際の過去問(2007年度)をベースにした例題にチャレンジしてみましょう!
例題:JIS規格の制定・改正の歴史
下の年表のJIS規格欄の(A)~(D)にあてはまる組み合わせとして適切なものはどれでしょうか?
| 年代 | 出来事 | JIS規格 |
| 1950 | 建築基準法公布 | (A:1953年) |
| 1960 | 東京オリンピック | (B:1964年) |
| 1980 | コンクリートクライシス | (C:1986年) |
| 1990 | 兵庫県南部地震 | (D:1995年) |
選択肢:
(ア)ポルトランドセメント(低アルカリ形追加)
(イ)高炉スラグ微粉末
(ウ)レディーミクストコンクリート
(エ)鉄筋コンクリート用棒鋼
解説:こう考えれば間違えない
「こんなの覚えられない!」となりますが、「なぜこの年に決まったのか」を考えて、時代背景とリンクさせれば一発です。
解説:ここが試験の「落とし所」
- (A) 1953年 =(ウ)レディーミクストコンクリート
- 戦後の復興期、「現場で練るより、工場でちゃんと管理して造ろうぜ!」と規格ができたのがこの年です。昭和28年、生コン産業のスタート地点ですね。
- (B) 1964年 =(エ)鉄筋コンクリート用棒鋼
- 東京オリンピックに向けた建設ラッシュ!大きな橋やビルを造るには「強い鉄筋」の規格が必要でした。
- (C) 1986年 =(ア)ポルトランドセメント(低アルカリ形追加)
- 1984年の「コンクリートクライシス」直後です。塩害とASR(アルカリ骨材反応)という「コンクリートの2大病」を治すために、セメント自体のアルカリを抑える基準が追加されました。
- (D) 1995年 =(イ)高炉スラグ微粉末
- 阪神・淡路大震災の年ですが、この頃から「環境に優しく、かつ高耐久なコンクリート」が求められ始めました。製鉄の副産物を利用するエコな材料の規格化です。
★暗記必須
- 「1953:生コン」
- 「1964:鉄筋」
- 「1986:低アルカリ」
- 「1995:高炉スラグ」
これだけは確実にセットで覚えちゃいましょう!
特にASR対策に起因する「1986:低アルカリ」は頻出です!
【混乱注意】塩化物イオン量の変遷をスッキリ整理

試験で最も受験生を悩ませるのが「塩化物」に関する数字の変遷です。
「0.30kg/m³」だけを覚えていても、材料ごとの細かい規定で足を掬われてしまいます。
「0.30kg/m³が塩化物イオン量?0.035%は何だっけ?」
正直、私も過去問を解くたびに間違えていました。
それもそのはず、同じ「0.035%」という数字が年代の違う2つの規制に登場するので、混乱して当然なんです。
「材料単体」の話なのか、「コンクリート全体」の話、視点を切り替えて整理しましょう。
なぜややこしい?塩化物規定の「材料」と「全体」の違い
塩化物の規制は、時代とともに「入り口(材料)」から「出口(製品)」へと厳しくなっていきました。
| 年代 | 規制の対象 | 具体的な数字 | 覚え方のコツ |
| 1978年 | 細骨材(海砂) | 塩分量 0.035%以下 | 「海砂の塩分、な(7)わ(8)ばり(縄張り)制限」 |
| 1986年 | コンクリート全体 | 塩化物イオン総量0.30kg/m³以下 | 最重要! コンクリートクライシス直後の総量規制。 |
| 1987年 | 化学混和剤 | 塩化物イオン量 0.01%以下 | 昔の混和剤には塩化物が含まれていた名残。 |
| 2003年 | セメント | 塩化物イオン量 0.035%以下 | おっさん(03)年、おっさん(035)セメント |
骨材→全体→混和剤→セメントの順番です。
覚え方のコツ
「コツ(骨)を掴めば、全(全)て混(混)ざるぜセ(セ)メント!」
少し無理やりですが、覚えたら勝ちです。
1978年、2003年(0.035%)と1986年(0.30kg)の使い分け
ここが一番の引っかかりポイントですよね。
- 1978年の「0.035%」:これは主に「海砂(材料単体)」の汚れ具合をチェックする数字です。当時は「海砂を洗って使えばOK」という、材料ごとのゆるい管理でした。
- 1986年の「0.30kg/m³」:これが有名な「総量規制」です。海砂だけでなく、セメントや混和剤、水に含まれるすべての塩分を合計して、コンクリート1m³あたり0.30kg以下にしなさい!という厳しいルールに進化しました。
- 2003年の「0.035%」:今度はセメント自体の塩分量の規制です。1978年の骨材(海砂)と同じ数字が出てくるので、「どちらの話か」を意識して覚えることが大切です。
🏗️ 現場監督目線
「昔は海砂を適当に洗って使ってたけど、1986年からは『全部まとめて厳しく管理しろ!』って言われるようになったんだな」と、現場の苦労とセットで覚えると忘れにくくなりますよ。
実戦演習!過去問で狙われる「塩化物規制」の順番
ここで、試験で非常に出題されやすい「JIS規格の改正順」を問う過去問にチャレンジしてみましょう!
【例題】JIS改正の時系列並べ替え問題
次の(A)〜(D)に示すJISの改正に関する記述を、年代の古い順に並べたものはどれでしょうか?
- (A) JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」:塩化物イオン量の規定が設けられた。
- (B) JIS R 5210「ポルトランドセメント」:普通ポルトランドセメントの塩化物イオン量が「0.035%以下」と改正された。
- (C) JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」:細骨材の絶乾重量に対する塩分量の許容限度が設けられた。
- (D) JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」:コンクリート中の塩化物イオン総量の規制が設けられた。
(1) C → D → B → A
(2) D → A → C → B
(3) C → D → A → B
(4) B → C → A → D
解説:迷いやすい「1978年」と「1987年」の正体
答えを選ぶ前に、それぞれの年号を整理しましょう。ここが最大の「引っかけポイント」です。
・(C) 1978年:骨材(海砂)の塩分規制
海砂を洗って使うのが当たり前だった時代に、まずは材料である「砂」の汚れをチェックしようとしたのが最初の一歩です。
・(D) 1986年:コンクリートの総量規制(0.30kg/m³)
1984年のコンクリートクライシスを受け、「材料個別じゃなくて、全部まとめて管理しろ!」と厳しいルールができました。
・(A) 1987年:化学混和剤の規制
「混和剤の規制って1978年じゃなかったっけ?」と混乱される方も多いのですが、
実は1978年は混和剤のJISが「制定」された年。
試験で問われる「塩化物イオン量の規定」が追加されたのは、総量規制の翌年である1987年です。
「後から不純物(塩分)チェックが厳しくなった」と覚えるとスッキリしますね。
・(B) 2003年:セメントの規制(0.035%以下)
意外と新しいのがセメントの規定です。 ASR(アルカリ骨材反応)対策の強化などに合わせて、セメント自体の塩分量も厳格に「0.035%以下」と定められました。
ということで、正解は (3) の「C(1978) → D(1986) → A(1987) → B(2003)」 です!
まとめ:年号を制するものは診断士試験を制す!
年号って、最初は「こんなの全部覚えられない」と感じますよね。私も最初はそうでした。
年号を単なる数字としてではなく、コンクリートが辿ってきた「改善の歴史」として捉えると、少しだけ馴染みやすくないですか?
こうして一つずつストーリーとして理解していけば、試験本番で「どっちだっけ?」と迷うことも少なくなります。
この記事の一覧表を試験直前にチラッと眺めてください。1点死守できるかもしれません。
育児や仕事の合間に少しずつ積み上げてきた知識は、必ず本番で活きます。
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