
こんにちは、エナガパパです!現場と勉強、そして家族との時間の両立、本当にお疲れ様です。前回の「第1章:変状の種類と原因」では、コンクリートの表面に現れる「症状(ひび割れや剥離など)」について学びました。
しかし、診断士として本当に知るべきは「なぜその症状が起きたのか?」という根本原因です。ここが診断士における、本当の根幹的な所です。
今回の第2章「劣化の機構」は、まさにコンクリートが患う8つの恐ろしい病気について学んでいきます。この章を制する者がコンクリート診断士試験を制すると言っても過言ではありません。問題進めてても、ここが分かってないと理解がしにくいです。
テキストの小難しい化学反応式を見ると眠くなりますが、大丈夫です。今回もすべての劣化要因を「人間の体」や「身近な現象」に例えて、直感的に暗記できるように翻訳しました!それでは、コンクリートを蝕む8つの症状について見ていきましょう!
中性化(ちゅうせいか)重要度: ★★★★★(超頻出!)
- 現場翻訳
コンクリートの「バリア(免疫力)崩壊」。 - どんな状態?
本来、コンクリートの内部は強アルカリ性(pH12〜13)で、このアルカリ性が鉄筋を錆から守る「強力なバリア(不動態皮膜)」を作っています。しかし、空気中の二酸化炭素(CO2)がコンクリート内に侵入してくると、化学反応を起こして徐々にアルカリ性が失われ、中性(pH8.5〜10程度)になってしまう現象です。 - メカニズムと恐怖
バリアが消滅すると、内部の水分と酸素によって一気に「鉄筋の腐食(サビ)」が始まります。鉄筋は錆びると体積が約2.5倍に膨張するため、内部からコンクリートを押し破り、第1章で学んだ「剥離・剥落」を引き起こします。 - 診断士の視点(試験のポイント)
中性化の進行速度は「水セメント比が大きい(水が多い=スカスカ)」ほど速く、「環境温度が高い」ほど速くなります。また、屋内よりも、雨が直接かからない屋外(軒下など)の方が進行しやすいという引っかけ問題がよく出るので要注意です! - 重要MEMO
とにかく二酸化炭素を侵入させないように、どのような対策を取るかが重要。コンクリートが緻密で空隙が少なかったり、湿潤状態だと侵入しにくいイメージを持ってると良いです。

塩害(えんがい)重要度: ★★★★★(超頻出!)
- 現場翻訳
鉄筋の「高血圧と動脈硬化」。 - どんな状態?
塩分(塩化物イオン)がコンクリート内に侵入し、鉄筋を直接サビさせる現象です。海沿いの飛来塩分(潮風)や、凍結防止剤の散布、あるいは昔のコンクリートに混ざっていた海砂などが原因です。 - メカニズムと恐怖
中性化と比べて恐ろしい点は、「コンクリートがアルカリ性のままでも、塩化物イオンが一定量を超えるとバリア(不動態皮膜)を破壊してサビさせる」という点です。つまり、中性化よりも圧倒的に早く、しかも激しく鉄筋が腐食します。 - 診断士の視点(試験のポイント)
試験では「発錆限界塩化物イオン濃度(サビが始まる限界ライン)」が問われます。一般にコンクリート中の塩化物イオン濃度が「1.2〜2.4kg/m3」を超えると腐食が始まるとされています。対策としては、かぶり(鉄筋までのコンクリートの厚さ)を大きくすることや、エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用することが有効です。

- 重要MEMO
塩害で大事なのは、鉄筋の腐食プロセス(マクロセル腐食)をしっかり把握することです。よく問断に出てくるので、ただ化学式を覚えるのではなく、頭でイメージできるようにしましょう!こちらはマクロセル腐食のイメージになります。

アルカリシリカ反応(ASR)重要度: ★★★★☆
- 現場翻訳
コンクリート内部の「重度のアレルギー反応」。 - どんな状態?
コンクリートの表面に「亀甲状(網目状)のひび割れ」が発生し、ひどい場合は白いドロドロのゲル(汁)が染み出してくる現象です。 - メカニズムと恐怖
セメントに含まれる「アルカリ分」と、骨材(砂利や砂)に含まれる「反応性シリカ(アレルギー物質)」が、水分の存在下で化学反応を起こします。すると、水分を吸って異常に膨張する「アルカリシリカゲル」が生成され、内側からパンパンに膨れ上がり、コンクリートを割ってしまいます。 - 診断士の視点(試験のポイント)
ASRが起きるには「アルカリ」「反応性骨材」「水分」の3点セットが必須です。どれか1つでも欠ければ発生しません。試験では抑制対策として「高炉セメントやフライアッシュセメント(混合セメント)の使用」が圧倒的によく出ます。 - 重要MEMO
ひび割れを見分けるときのポイントが、特徴的な網目状(亀甲状)になります。また、反応性骨材がたくさん入っていれば、ASRによる反応が大きい訳ではないのがひっかけポイント。ちょうど反応しやすい骨材量があって、それをペシマム現象と言い、日本語訳で「特定の割合」といいます。少なくても多すぎても反応せず、特定の割合で大きく反応することを意味します。

凍害(とうがい)重要度: ★★★★☆
- 現場翻訳
コンクリートの「重度の霜焼け(凍傷)」。 - どんな状態?
寒冷地などで、コンクリートの表面がボロボロと剥がれ落ちたり(スケーリング)、石が弾け飛んだり(ポップアウト)する現象です。 - メカニズムと恐怖
コンクリート内部の微細な隙間に入り込んだ水分が、冬の寒さで「氷」になります。水は氷になると体積が約9%膨張します。満杯のペットボトルを冷凍庫に入れると破裂するのと同じで、この膨張圧に耐えきれずにコンクリートが破壊されます。凍結と融解(溶けること)を繰り返すことでダメージが蓄積します。 - 診断士の視点(試験のポイント)
一番の特効薬は「AE剤(空気連行剤)」を使うことです。コンクリート内に意図的に独立した極小の空気の泡(エントレインドエア)を作ることで、水が凍って膨張した時の「逃げ道(クッション)」となり、凍害を防ぎます。 - 重要MEMO
とにかく寒冷地で発生しやすく、起こりやすい場所は日射の多い南側です。「凍って溶けて」を繰り返す方が発生しやすく、日陰のようなずっと気温が低いところの方が実は起こりにくいのです!ずっと寒い所の方が起こるイメージですが、ひっかけ問題が多いので注意!

化学的侵食(かがくてきしんしょく)重要度: ★★★☆☆
- 現場翻訳
コンクリートの「虫歯(酸で溶ける)」。 - どんな状態?
下水道施設や温泉地、化学工場などで、コンクリートが溶けてボロボロになったり、ドロドロに軟化したりする現象です。 - メカニズムと恐怖
コンクリート(セメント水和物)はアルカリ性ですが、酸性の物質(硫酸、塩酸、温泉水など)に触れると化学反応を起こして溶け出してしまいます。また、硫酸塩が侵入すると、内部で膨張性のある物質(エトリンガイトなど)を生成して破壊することもあります。 - 診断士の視点(試験のポイント)
「下水道管」の問題が出たら要注意!下水中の硫化水素ガスが、細菌の働きで「硫酸」に変わり、コンクリートの天井部分を激しく溶かす現象は頻出です。対策としては、耐酸性のコーティングを施すなどが挙げられます。 - 重要MEMO
ここは化学式が多く出てきますが、化学式を覚えるというより、「どこで・どの箇所が侵食しやすいか」を押さえることが大切です。例えば、硫酸塩土壌にあるコンクリート基礎では、土壌に埋まっている方が露出している箇所より乾湿の繰り返しが少なく劣化しにくいです。この仕組みは塩害や凍害にも似ているので合わせて覚えましょう!

風化・老化(ふうか・ろうか)重要度: ★★☆☆☆
- 現場翻訳
コンクリートの「加齢とすり減り」。 - どんな状態?
長い年月を経て、風雨や砂ぼこり、川の流れ、車のタイヤの摩擦などによって、表面が徐々にすり減ったり、変色したりする自然現象です。 - メカニズムと恐怖
他の劣化機構のように急激に壊れるわけではありませんが、表面が削れることで「かぶり厚さ(バリアの厚み)」が薄くなり、中性化や塩害といった他の病気を引き起こしやすくなります。 - 診断士の視点(試験のポイント)
試験での出題頻度は低めですが、「摩耗」や「エロージョン(水流によるすり減り)」といった言葉で出題されます。コンクリートの強度(圧縮強度)が高いほど、すり減りに対する抵抗性も高くなります。 - 重要MEMO
コンクリートの成分溶出や流水によるすり減りの問題が多いです。コンクリートのセメント水和物の溶出が大きい順に「液体水酸化カルシウム→固体水酸化カルシウム→C-S-H(ケイ酸カルシウム)になります!この問題は過去にも出題されました!

疲労(ひろう)重要度: ★★★☆☆
- 現場翻訳
コンクリートの「疲労骨折」。 - どんな状態?
高速道路の橋の床板(床版)などでよく見られます。最初は目に見えない微細なひび割れが、徐々に繋がり、最終的にはブロック状に抜け落ちてしまうような現象です。 - メカニズムと恐怖
重いトラックが何万回、何十万回と通過することで、コンクリートに「繰り返し荷重」がかかります。1回の重さでは壊れない荷重でも、何度も何度も繰り返されることで金属疲労のように限界を迎え、ある日突然破壊に至ります。 - 診断士の視点(試験のポイント)
「疲労限度」という言葉を覚えましょう。疲労限度以下の応力(力)であれば、何回繰り返し荷重を受けても破壊しないギリギリのラインのことです。また、水が存在すると疲労寿命が著しく短くなる(水のポンピング作用)という点も重要です。 - 重要MEMO
コンクリートの疲労に対する問題が多く、疲労強度は水中の方が気中よりも低下しやすいです。水中(例えば海中コンクリート)の方が疲労寿命は短くなりやすいです。

火災(かさい)重要度: ★★☆☆☆
- 現場翻訳: コンクリートの「大やけど」。
- どんな状態?火災の高熱に晒されることで、表面が弾け飛んだり(爆裂)、著しく強度が低下したりする現象です。
- メカニズムと恐怖:コンクリートは熱に強い不燃材料ですが、500℃を超えると急激に強度が落ち、1000℃近くになるとボロボロになります。また、内部の水分が急激に沸騰して水蒸気になり、その圧力で表面を吹き飛ばす「爆裂」が起きます。
- 診断士の視点(試験のポイント):火災を受けたコンクリートの「受熱温度の推定」が試験で問われます。特に有名なのが「約300℃〜600℃になると、コンクリートがピンク色(うすい赤色)に変色する」という特徴です。現場調査でピンク色を見たら、その深さまで500℃前後の熱が伝わった証拠となります。
- 重要MEMO
火災によるコンクリートへの影響で、圧縮強度とヤング強度の低下率についてしっかり区別が必要です。そして「コンクリートなら300℃までならセーフ」や「鉄筋は500℃で引張強度1/2まで低下」の用に、物質と温度の関係性をセットで暗記が必要です。覚えれば点数取りやすいですね!

第2章のまとめと次のステップ
いかがでしたか?コンクリートの病気も、こうして人体の病気に例えると「どうしてその症状が出るのか」「どうやって防げばいいのか」がイメージしやすくなります。
- 中性化 = バリア崩壊からのサビ
- 塩害 = 塩分による一発サビ
- ASR = アレルギー物質の膨張
- 凍害 = 凍傷・氷の膨張破裂
特にこの「四大劣化機構」は、本試験で絶対に点数を落とせない重要項目です。現場で壁を見たとき、「これはバリアが壊れてるな…」と診断士の目で推測できるようになれば、合格はもう目の前です!
さて、病気の種類がわかったら、次はいよいよ「どうやってその病気を診断(検査)するのか」です。
次回は、第3章「調査手法」について、コンクリート診断士が使う道具(非破壊検査機器など)を分かりやすく解説していきます!
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確実に合格を掴み取るための知識を、図解と例え話で分かりやすくまとめています。スキマ時間の復習にぜひご活用ください!
- 🔗 【第1章】変状の種類と原因(ジャンカ・ひび割れ等を現場翻訳!)
- 🔗 【第2章】劣化の機構(中性化・塩害など8つの病魔の正体) ←★今ココ
- 🔗 【第3章】調査手法(近日公開予定:診断士の秘密道具と検査の裏ワザ)]←次回公開
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育児👶・筋トレ💪・資格勉強📖の三立を目指して毎日奮闘中です。趣味も楽しみながら毎日を過ごしています!同じ目標を持つパパさん、ママさん、ぜひ一緒に高め合いましょう!リアルタイムの育児のことや日々のつぶやきは、X(旧Twitter)で発信しています。気軽にフォローして声をかけてもらえると、めちゃくちゃ励みになります!😊🌿

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